甘い唇は何を囁くか
甘い口付けに、理性が離れそうになる。

愛…か…。

これが…女を愛すると、いうことー。

シスカは、柔らかな遼子の身体を壊れないように優しく、しっかりと抱き上げて抱きしめた。

遼子もはあはあと熱い息を漏らしながら応えてくる。

それが、たまらなく嬉しくて、牙をしまい人間のように唇を貪り合った。

愛しいー愛しい、遼子…。

「ん…ふ、は…あ…ぁ」

零れる熱い声も、更に欲情を煽る。

こんなにーーー。

【その時になれば分かるー】

シスカは、ハッと我に返った。

バンジェスの声だ。

頭の中に、その言葉がよみがえる。

遼子の舌に自分の舌を絡めて甘い唾液を味わいながら、何が言いたいと、頭の中で問いかけた。

【言っただろう、お前は運命を見つけ、そして、人間の女を愛するー】

「ん、んっ!」

ああ、確かにそうだ。

俺は、人間の女を愛した。

この、人間をー酒よりもよほど甘美で、何にも変えがたい。

尻の肉の柔らかさ、身体の温もり、その全てを知りたいー支配したい…!

【この女を抱けばどうなるか分かるか?】

クチュクチュと、口付けの音が月夜に響く。

もう離れない。

離れたくない。

シスカは、頭の中の声を無視して遼子の身体を壊れないように、けれどきつく抱きしめた。

【分かっているはずだ。】

嗚呼、知りたい…もっと、遼子のことをー。

「遼、コ…。」

バンジェスの言葉を遠くに聞いて、シスカは歩き出した。

口付けは続けたまま。

「ん…っは、ま、て…んっ」

「イヤだ、待たない…。」

そう答える間、唇を離すのも嫌なのにー。

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