甘い唇は何を囁くか
まるで、はじめての時のよう・・・。

好き、という感情が溢れて心拍音が口から出てきてしまうんじゃないかと思う。

「遼子・・・」

また、シスカが囁いた。

遼子はぎゅっと閉じていた瞳をそっと開いた。

目の前にある彼の顔。

長いまつげ、整った鼻立ち、少し頬が紅くなっているように見えるし、少し開いた唇から漏れる息は荒くなっている・・・それって私のせい・・・?

あ・・・

顔がどんどん近付いて、遼子は軟らかな唇が重なる瞬間まで瞳を開いたままでいた。

「ん・・・」

そっと唇を離し、そしてまた唇を重ねる。

思ったけど―、やっぱりこの人、キスすごく上手。

信じられないくらい体が熱くて、どうしようもなくこの先を知りたくなる。

・・・求めてるのが分かる。

私も・・・シスカも・・・

それが、嬉しい・・・

シスカの手が肩にかかり、遼子はびくりと身をすくめた。

ど、ど、ど・・・どうしよう。

恥ずかしさがこみ上げてくる。

このまましてしまいたい。

けど、こんなものかとかがっかりされないかとか、日本に帰ってもこの関係は続けることができるかとか一抹の不安がよぎる。

柔らかな舌を絡められると、そんな思考もあっという間にさえぎられ、遼子は再び熱い吐息をもらした。

ワンピースの上から胸の膨らみにシスカの手が伸びる。

優しく、まるで大事な宝物に触れるようにそっと撫でられて、思わず身体がはねた。
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