甘美な蜜のプワゾン
15分程歩いただろうか。

3人は公園のような広い敷地の抜け道を通る。
夜には絶景の夜景が望めるそうだ。

蘭の両親も良くデートで利用していた場所。

緑の多い所だが、夕方近くとはいえ初夏の爽やかさは微塵もなく、じめじめとした蒸し暑さで蘭は不快な汗をかいていた。

それなのに太郎と右京はその汗さえも爽やかに見えた。

「そう言えば、太郎先輩ってハーフなんですか?」

「唐突だね。何で?」

太郎は近くの自販機でペットボトルの水を3人分買うと、それぞれに手渡してきた。

右京は自然と礼を口にし受け取っている。

「あ、え? すみません。ありがとうございます」

財布を出そうと蘭が鞄に手を突っ込むと、太郎は首は振った。

「これくらい、奢るよ」

「本当ですか? 嬉しいです。ありがとうございます!」

優しく笑う太郎は、フェンス側に向いたベンチへと腰を下ろした。

「ちょっと暑いし、休憩」

「はい」

太郎は奔放な振る舞いをする事が多いが、本当は気遣いの出来る男なんだと、蘭は少し太郎の見方が変わったような気がした。

「で? 俺がハーフかどうかって事だったよね」

「あ、はい……。髪の色、初めは染めてるって思ってましたけど、目の色と凄く合ってるし。それに顔立ちも日本人離れって言うのか……」

顔のつくりが綺麗すぎる。
とは、口には出せず蘭は言葉を濁した。





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