鈴芽 ~幸せのカタチ~
公園に着いたときには、私の体は雨でびっしょり濡れていた。

いつものベンチにオジサンはいなかった。

雨だもんなぁ。

雨の日はいつもこない。
逢いたかったなぁ。

その場にしゃがみこんだ。

すると突然雨が止んだ。
顔を上げると目の前にはオジサンが。

『何やってんだ!?
びしょ濡れじゃないか。それにその顔…。』

止んだと思った雨はオジサンの傘のせいだった。
『オジサン!』

涙が溢れてオジサンに抱きついた。

オジサンはやさしく頭を撫でてくれた。

そんな姿を、遠く離れた所で祐介が見ていた。

私と同じくびしょ濡れになった体で。
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