【続】早瀬くん、好き。
「そりゃあ、あれだろ。
月夜がデレデレになってるのが下っ端くんたちにもバレバレだったってことだ」
……デレデレじゃねぇし。
「…にしても、鮎原が狙われるとかマジ勘弁。
どうしたらいいんだよ」
「お前が守り抜くか…、
それか別れるかの二つに一つの選択だ」
二つに一つの選択…。
そして、俺は別れる方の選択肢を選んだ。
「…雄介ありがとな」
俺は西田さんのことを考えながら机に座っている雄介にお礼を言う。
「は?な、なんだよ急に…。
別にいいよ。俺たち親友なんだし…」
照れてんな、こいつ。
「あぁ、だな…」
「やけに素直だな月夜。はは。
…でもさ、何で守り抜く選択肢を選ばなかったわけ?」
「…俺だって四六時中一緒にいれるわけじゃねぇし…」
それに、何より、
「それに、西田さんの件が片付いたとしても俺の彼女でいる限りあいつは狙われ続ける。」
俺はいろんな奴をこの手で血まみれにしてきた。
やめてくれ、すみません。
なんて言われたって殴り続けた。
毎日毎日殴り続けた。
俺を恨んでる奴なんて山ほどいるんだ。
それが、たまたま西田さんだったってだけであって。
「…俺が鮎原を守るって言ったって、
鮎原が全く傷つかないなんて保証があるわけじゃない。
ちょっとしたコンビニに行く時だって狙われる可能性だってある。
俺は鮎原を怖がらせたくねぇ。
そのためなら俺は鮎原に嫌われても構わない。
他の男のとこにいったって構わない。
ただ、あいつの泣き顔みるのだけは
嫌なんだ」
俺の過去の過ちのために鮎原が傷つくなんてバカバカしい。
「…はは、お前がそこまで女に入れ込むなんてな。
いいんじゃねぇの?
お前なりに鮎原の幸せ願ってんだからよ。」
「…あぁ」
「…けどな、月夜。
お前の幸せはどうなんだ?
鮎原の幸せだってな、お前が決めることじゃねぇよ。
鮎原はそんなお前とでも一緒にいることが幸せなんじゃねぇのか?
お互い幸せになれてないんじゃ、そんなの何の意味もねぇだろ。
…月夜、お前は本当にそれでいいのか?
何にも言わないまま、別れるなんて後悔の塊しか残んねぇだろ?」
雄介の言葉はなぜかすごく俺の心に響いた。
俺の幸せと鮎原の幸せ…か。
…俺は、今幸せなのか?
鮎原は笑えてるのか?
昨日、泣いてた。
俺のせいだって言ってた。
あいつを誰よりも傷つけてるのは他の誰でもない俺なんじゃねぇのか?
鮎原の幸せを願ってるなんて言ってけどそれは俺が決めることじゃない。
「雄介…。
俺行ってくるわ」
そう言って席を立った途端に俺のケータイが震えた。
嫌な予感しかしねぇんだけど…。
俺の嫌な予感は当たっていた。