甘い恋飯は残業後に
兄貴は、選手の控室なのか、観客席の下の方にある部屋へと向かって「バーサン」と呼んでいる。
程無くして、その人の頭がチラリとだけ見えた。
兄貴の身長は、確か一七八センチだった筈。その人はそれより少し低いぐらいだろうか。
兄貴が何やら彼に話すと、その人はこちらを振り返った。
――え……?
眩しいのか、その人は眉間に皺を寄せ、目を細めた顔だったけれど――間違いなく、彼は。
「……難波、さん……?」