甘い恋飯は残業後に


まだ、ショックから抜け出せないでいる。

わたしはぼんやりしたまま、さっき座ったところまで戻って腰を下ろした。


どうやらそろそろ試合が始まるらしい。二チームともピッチに整列している。

雲間からギラリと顔を出した太陽に思わず目を細めた。日差しは容赦なくジリジリと肌に照りつけてくる。

もう暑さは夏そのものだ。今日は日焼け止めをしっかり塗ってきて正解だった。


そんな他愛もないことを考えているうち、ようやく心が落ち着いてきた。落ち着いたところで考えてみると、いろいろと合点がいく。


難波さんが叔父さんの店の常連だったのは、こうして兄貴と繋がっていたから。

レモンライムハニーを飲んでニヤリと意味あり気な笑みを浮かべたのは、以前飲んだことがあったから。


唯一納得がいかないのは、その事実を隠されたことだ。
最初から「兄貴と繋がりがある」と言ってくれれば良かったのに。


< 103 / 305 >

この作品をシェア

pagetop