甘い恋飯は残業後に



試合は、兄貴達のチームが圧勝という形で終わりを迎えた。


「万椰ー! 祝勝会、おじきの店だから!」

「えっ、わたしも?」

「当然だろ……って言ったって万椰は逃げそうだな。よし、今すぐ下来い!」

兄貴は観客席の下の部屋を指さす。


「そういうところに部外者は入れないんじゃないの?」

「だーいじょうぶだよ。あ、第二更衣室の方だからな! 間違って相手チームの方に行くなよ」

そう言って兄貴は笑いながら、奥の部屋へと消えていってしまった。


祝勝会までが約束だ、っていうこと? まったく、兄貴はどこまでも勝手なんだから。

ため息を吐きながら、心の中で独りごちる。
……が、その一方で、少しほっとしている自分もいた。

今、このまま帰ってしまったら、間違いなく週明けまでモヤモヤすることになる。


――どういうことなのか、問いたださねば。


< 105 / 305 >

この作品をシェア

pagetop