甘い恋飯は残業後に
「○○君に色目を使った」だの「男にちやほやされていい気になってる」だのと言われるのはまだかわいいほう。
女性からは嫌がらせで飲み物をわざと膝にこぼされたこともあるし、男性からはやたら触られたりつきまとわれたり、今まで本当に散々な目に合ってきた。
「ほら、これは万椰の分」
「ありがとう、叔父さん」
各テーブルには大皿で料理が出されていたが、叔父さんはそこからあらかじめ小皿に取り分けた料理をわたしの前に出してくれた。
これまで叔父さんにはいろいろな話をしてきたから、わたしがここに座った理由もよくわかっているのだろう。祝勝会がここで、本当に助かった。
飲み始めてから何気なくテーブル席の方を振り返ってみると、兄貴の隣にはもちろん、難波さんの隣にも女性が座っていた。ミディアムロングにゆるふわパーマをかけた清楚なイメージのその女性は、難波さんの為に大皿から料理を取り分けている。
もしかして、難波さんの彼女?
……そっか。彼の歳を考えると、彼女がいない方がおかしいか。
その光景を見ているのが何だか癪に障って、わたしはくるりと厨房の方に向き直った。
自分は彼氏がいないから、きっとただの僻みだ。