甘い恋飯は残業後に


「あっ、難波さん来ましたよ」

水上ちゃんが小声でわたし達に教える。


オフィスに入ってきた彼は、今日も変わらず仏頂面だ。元は悪くないのにね、とそういえば着任した当初、部の女子社員が残念そうに話していたっけ。

外食事業部にいた頃は、出向でモリヤが運営しているファミレスの店長をやっていたこともあったと聞いたけど、一体どんな顔で店に立っていたのやら。



「桑原、行くぞ」

朝礼が終わると、難波さんは真っ先にわたしの所へやってきて、いつもの台詞を口にした。


身長はわたしと十センチも違わず、一七〇センチを少し越したぐらいというところだけど、肩幅が広くガタイがいいせいか、隣に立たれると威圧感がある。

怯みそうになるが、わたしも負けてはいられない。


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