甘い恋飯は残業後に
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「万椰さん、サラダそうめんにしたんですか?! あー、私もそれにすればよかったー。やっぱり万椰さんのような美肌になる為には、ビタミン摂取が重要ですよね、うん」
わたしが何も言っていないのに、水上ちゃんはそう勝手に決めつけて、一人で納得している。
……単に、給料日前で財布の中身が寂しかったから、安いサラダそうめんにしただけだったんだけど。
「水上さんのはヘルシーランチ? 俺も最近腹回りがあやしくなってきたから、それにすればよかったかなぁ」
大貫課長はそう言って、水上ちゃんの日替わりヘルシーランチを見つめている。
「大貫課長、まずは腹筋鍛えましょう」
「桑原さんは筋肉フェチだったっけ、そういえば」
「えっ……わたし、そんなこと言いましたか?」
「飲みの席で、前にそう言ってたよ」
酔ってそんなこと言っちゃってたんだ、と居た堪れず俯く。水上ちゃんは半ば認めたようなわたしの様子を見て「そうだったんですか!」とはしゃいでいる。
最近の昼食は、この三人でモリヤの社食、が定番になっている。特に誰が言いだしたということもなく、何となくの流れで、一緒に行くようになった。
「今頃難波さんは、重役会議後に出る高級なお弁当を食べているんですかね。いいなぁ……」
サラダを口にしながら、水上ちゃんが羨ましそうに言う。
「景気が良かった頃は確かに高級だったみたいだけど、最近はそんなに高級でもないらしいよ」
そう言って大貫課長は、サバ味噌をつつく。わたしもそのやりとりを聞きながら、サラダそうめんを啜った。
……なんか、虚しい。