甘い恋飯は残業後に
わたしは、兄貴の言葉に縛られ続けていること、どうしても踏み切れず元カレを傷つけたこと、とにかく今までの出来事や思いを洗いざらいぶちまけた。
特に彼とのことは誰にも相談出来ず、ずっとひとりで抱え込んでいた。溜まりに溜まった思いが堰を切ったように溢れ出し、もう自分では制御出来なかった。叔父さんのところで少しは発散出来ていただろうと思っていたのに、どうやらそれぐらいではどうにもならなかったらしい。
「ああもう……何でこんなこと難波さんに話しちゃってるんだろう、わたし……恥ずかしい」
全て話し終えた時、ふと我に返って、一気に恥ずかしさが込み上げてきた。
『自分は処女です』なんて、付き合ってる訳でもない男の人に、ましてや上司にぶっちゃける話じゃないのに。しかも、元カレとの赤裸々な話まで!
「何も恥ずかしいことはない」
「だって、こんな生々しい話……男の人に聞いてもらうようなことじゃないですよ」
頬が熱い。わたしはもう既に乾いていた涙を拭くふりをしてハンカチを目元に押しつけ、赤くなっている顔を隠した。
「でも、笑っちゃいますよね。世間では恋愛経験豊富に見られている女が、経験豊富どころか、実はいい歳して未経験だなんて……」
どうにも居た堪れず、自嘲してみせる。
難波さんは眉根を寄せた。