甘い恋飯は残業後に
「……嘘」
さっきと何も変わりない、同じ天井が目に入る。
上体を起こすと、わたしの体にはグレーに黒の模様が入っているタオルケットが掛けられていた。着ているものを確認すれば、ゆうべのまま。
全体的にモノトーンでまとめられているこの八畳程の部屋には、目覚まし時計とテレビ、一人掛けのソファーが置いてある。
一体、ここはどこなんだろう。まったく見覚えがない。
あまりのことに思考が停止してぼんやりしていると、何の前触れもなくガチャリと扉が開いた。
「……起きたのか」
わたしが起きていたとは思っていなかったのだろう。その人は一瞬、驚いた表情を見せた。
「どうして……難波さんが」
動揺して、状況がうまく呑み込めない。
「その様子じゃ、ゆうべのことは全く覚えてないんだな」
難波さんは小さくため息を漏らした。
「あの、ゆうべのこと、って……」
もう一度、自分の服を確認する。
……乱れてはいないようだ。