甘い恋飯は残業後に
《桑原、久しぶり。さっきは悪いことしたな。あいつ、今の部署に異動してから仕事がトラブル続きで腐っててさ、励ましてやろうとあそこで飲んでたんだ。
桑原と青柳が付き合ってたことは知らなかったから、不用意にそっちの宴会の話を出したらあんなことになってしまって……本当にごめん。でもあいつも今、辛い立場なんだ。今回のことは勘弁してやってくれないか》
それは昨日元カレの青柳と一緒にいた、あの時「桑原もごめん」と言った彼からのものだった。
勘弁してやってくれ……か。
そもそも、わたしは彼のことをどうこう言える立場じゃない。責められるべきはわたしの方なのだから――。
「どうした?」
リビングに戻ってこないことを不思議に思ったのか、難波さんがこちらの部屋に顔を出した。急いで携帯をバッグにしまう。
「ああ、ごめんなさい。昨日あの人と一緒にいた人から、メールが入っていたもんで……」
「メールには何て?」
じっくり聞く構えなのか、難波さんはわたしの横を通り過ぎ、ベッドに腰を掛けた。