甘い恋飯は残業後に
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朝は天気が良かったのに、『Caro』へ出かける直前になって急に雨が降り出した。
視界の悪い中運転するのは大変だろうと気遣ってくれたのか、それともわたしの運転に不安があるのか、今日は難波さんが運転してくれている。
今、出発してから十分が経過したところ。車内にはガッ、ガッ、とワイパーの音だけが響いている。
――静けさが、息苦しい。
難波さんは、仕事中は自分からペラペラ話す方ではない。だからこの状況はいつものことだとわかっている。
そもそも会話がないのが嫌なら自分から話せばいいだけだ。それもわかっているけど、どういうことか言葉が閊えて出てこない。訊きたいことがあるというのに。
耐えかねて、難波さんの方をちらりと窺ってみる――と、すぐに気づかれ、彼もこちらに視線を振った。
「何?」
問われてやっと、ワインの栓が開いたように、頭に渦巻いていた言葉が口から滑り出てきた。