甘い恋飯は残業後に
彼女が長々と説明してくれた話を要約すると、その場に集まっていた男性達は遊び慣れしている軽い人ばかりで、その日も一晩限りの後腐れない女の子を探しに来ていたらしい。
水上ちゃんは「女を馬鹿にすんなって感じですよね」と、グラスに半分程あったマンゴーモヒートを一気飲みした。
「俺は合コンに行ったことないからよくわからないけど、合コンってそもそもそんな感じじゃないの?」
大貫課長の身も蓋もない言い方に、水上ちゃんはすぐさま反論する。
「合コンにだって健全な出会いもあるんですよっ」
「水上ちゃんならそんなに必死にならなくても、すぐにいい人が見つかるんじゃない?」
酔っているせいか、いつもは呑み込んでいた言葉がつい口を衝いて出てしまった。
まずい、と思ったところで一度口から出てしまったものはもう取り消せない。
水上ちゃんは黙って俯いている。
「……万椰さんならそうかもしれないけど」
ややあって、水上ちゃんが発した言葉に、ズキリと胸が痛んだ。
疼いたのは、過去の傷。
「私はこうでもしないと見つからないんですよ……」
どう答えればいいのか、何も思い浮かばない。
空気を察した大貫課長が「そんなことないだろう」とフォローしてくれている。