甘い恋飯は残業後に
「課長職以上しか知らないことだったんだけど、多分、三浦係長は知ってたんだろうね」
「もしかして……『Caro』のパソコンから掲示板にアクセスしたっていうことですか?」
わたしはまさかと思いながら、頭に浮かんだ考えを口にした。
モリヤからなら当然、匿名掲示板にはアクセス出来ない。でも、フォレストやフォレストが管理している店舗ではそれが出来たのかもしれない。
「そう、正解」
「そっか、だからSNSへの書き込みも会社から出来たんだ」
水上ちゃんはさらりと、会社的にも本人的にもまずいことを暴露してくれる。大貫課長は苦笑しながらもそれには触れず、話を続けた。
「でも三浦係長は重大なミスを犯した。セキュリティーが甘いからと言って、底抜けしていた訳じゃないんだ」
「ログが残っていた、っていうことですか」
「さすが桑原さん、察しがいいね」
以前、モリヤの社内イベントの告知ポスターにちょっとした写真を添えようと、素材サイトから写真をダウンロードして厳重注意された人間がいた。その人は、ダウンロードが基本的に禁止されていることを知らなかったらしい。
その時聞いた話では、いつ、誰が、何を、と細かく通信記録が残るようになっていて、不正なことをしようとしても、すぐに特定されるということだった。
フォレストもそこはちゃんとしていたのだろう。