甘い恋飯は残業後に
「通信記録から三浦係長のことはすぐにわかったらしいけど、その他にも問題があって、ここまでくるのに五か月近くも時間がかかってしまったって話だ。その他の問題のことまでは、さすがに部長は言わなかったけどね」
ふと、難波さんに連れられて急遽『Caro』のヘルプに入った時のことを思い出した。
――だからあの時、難波さんは二課の人間ではなくわたしを連れて行ったのか。
そう考えていくと、今まで腑に落ちなかったことが、すとんと腑に落ちていく。
「難波さんは……部長はどうなるんですかね」
水上ちゃんが突然、難波さんの名前を口に出したものだからドキリとした。
丁度彼のことを考えていたタイミングだったから、尚更。
「さっき、私がこの話をある人から聞いた時、『その当時の『Caro』の責任者は難波さんだから、何かしらの処分が下るんじゃないか』ってその人が言ってたんで……」
鼓動が、ドクドクと嫌な音を立て始める。
衝撃的な話に気を取られて、わたしはそこまで考えが及んでいなかった。
部下が何か問題を起こせば、管理責任で上司も何らかの処分が下ることは当然、あり得る。
「んー……どうだろう。まずは本人の処分内容が決まってからじゃないかな」
「左遷や降格、ってこともあり得ますよね……?」
水上ちゃんの問いかけに、大貫課長は渋い顔をしている。
「最悪は、というところだと思うけどね」
課長は最後に「誰に何を聞かれても、この件は正式な話があるまで絶対に他言しないように」とわたし達に釘を刺した。
――わたしは。
ミーティングルームを出るまで、一言も言葉を発することが出来なかった。