甘い恋飯は残業後に
難波さんは体を離して、わたしを真っ直ぐ見据える。
「万椰が不安に思っているようなことには絶対にならないから、安心していい」
そう言って、優しく包み込むようなキスをひとつ落とすと、わたしを軽々と横抱きにした。
突然のことに声も出ず、ただ目を見開く。
そのままベッドに下ろされ、難波さんは優しく深く、キスをしながらわたしにゆっくりと覆いかぶさってきた。
いくら処女でも、この先どうするのかぐらい多少の知識はある。でも、知っていたところで余裕など欠片ほどもない。
と、ふいにわたしの体から重みが消えた。
「……だめだ、熱い」
目を開けて見れば、彼の顔は確かに上気していた。難波さんは着ていたバスローブを脱ぎ、床に放った。
思わず、視線がそこに吸い込まれる。
がっしりした体形だとは思っていたけど、難波さんがここまで筋肉質だとは思わなかった。引き締まった体には、薄っすらと腹筋の筋が見える。
「……そんなに見るなよ」
凝視してしまっていたんだろうか。恥ずかしさに視線を逸らすと、難波さんはわたしの頭の上の方に手を伸ばし、部屋の明かりを暗くする。
「俺ばかり見られるのは、不公平だな」
不服そうに呟いてから、難波さんはわたしのバスローブの胸元に手を掛けた。と同時に、首筋に舌を這わされる。
「……っ」
くすぐったさの奥に潜む感覚に身を捩る。どうすればいいのかわからず、強く目をつぶっていると、急に彼がわたしから身を離した。