甘い恋飯は残業後に


「どうかしたんですか」

いつもなら叔父さんが出してくれる洋風モツ煮を、美桜ちゃんが持って来てくれた。

叔父さん、本気で怒ったんだろうか。


「……いい加減、ストレスがたまっちゃっててね。このままでいくと、いよいよ爆発しそうだったから」

苦笑しながらそう言うと、美桜ちゃんは何かを思い出したような顔をした。

「もしかして、あの思い込みの激しい男にまた何かされたんですか?」

「ああ……あの男が流した悪口は聞こえてはきたけど、思ったほどじゃなかったからそっちは気にしてないんだけど」

モツ煮をつつく。こんな時でも、やっぱり美味しい。


「最近ずっと、自分勝手な人に振り回されててね……」

「え、万椰さんを振り回すなんて、よっぽどの人じゃないですか、それ」

よっぽどの人って……わたしは美桜ちゃんからどんな風に見られているんだろう?
ちょっと不安になってしまう。


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