甘い恋飯は残業後に
「……正直、難波さんには迷惑しています」
「俺に?」
「わたしは『Caro』の仕事だけをしている訳じゃないんです……」
難波さんの視線が、わたしのこめかみ辺りに刺さる。
胸が苦しい。話を続ける前にひとつ、小さく息を吐き出した。
「店舗巡回が増えて時間に余裕はなくなりましたけど、自分なりに考えながら何とかここまで効率よく仕事をこなしてきたつもりです。でも、今日のようなイレギュラーな、しかも一課の仕事ではないことを急に押し付けられると、さすがに効率だけではどうにもならなくなります」
難波さんが口を開く気配はない。わたしはそのまま続けた。
「こんなことが頻繁にあると、結果して、他の社員にも迷惑がかかりますし……」
実際、今日の午後一までという期限付きの仕事を、急遽水上ちゃんに助けてもらった。
何もなければ、余裕で期限前に終わる仕事だったのに。