適当魔法少女・りおん
「あの空へ上昇する自分をイメージしろ――」
「上昇――上昇――」
まだ、浮いてるだけのりおんは星空を見上げながら、空を飛び、星達と踊る自分を想像し、呟く――。
「すぅっ――」
左右にぶれながらも、ゆっくりと上昇してゆくりおん――更に、感覚を研ぎ澄ませ、イメージを精錬する――。
「すいーっ――」
速度が上がり、やがてぶれもなくなってゆき、エレベーターの様にスムーズな上昇感覚に、りおんの躰は快感という衣に包まれ、火照る意識が血液や細胞までも喜びで沸き上げているのがわかる――。
「わぁ――」
500メートル程上昇した時、りおんは「地上」を見下ろした――。
家やビルから放出される営みの輝き――車のライトが光の筋となって、夜の世界を構築する――。
見上げる対象の高層ビル達が、眼下にかしこまって佇む――。
「綺麗だね――」
「そうだな――まぁ、初めて空を飛んだ魔法少女は異口同音にそう言うがな――」
「もう――」
ステッキさんの素っ気ない返しが不満のりおん――。
「怒ったか――」
「いいよ、別に――」