適当魔法少女・りおん
りおんに素っ気なくしているのには、理由がある――。
素っ気なくしている裏側で、感嘆していた――素直に感情を表に出す事が、少し悔しかったのだ――。
一般的事例として、魔法少女の初飛行は、心許ないものに終始する事が多い――怖さ、動揺、叫び――「足場」を失うと人間はたちまち、「弱く」なる――。
空を飛ぶ――非現実的な行為ともなれば、尚更に弱体化の傾向は強まる――。
魔法少女でさえ、「普通」は飛行訓練を経てから実戦を迎える――。
ポーターが浮遊、飛行、姿勢制御魔法を、ステッキの姿を介して魔法少女に供給する――そうして彼女達は、ポーターとの信頼関係を築き、飛行魔法を体得してゆく――。
しかし、りおんはどうだろう――始めこそ不安定な飛行だったが、今ではあたかも生まれた時から備わっていたかの様に、「普通」に飛行し、上昇し、スキルの高い水平飛行までも身につけている――。
さっきから、夢中で躰を回し、宙返りを試みたりと、地上とは異なる世界で自由を謳歌しているりおん――。
無論、魔法供給は行ってはいる――しかし、それはごく、微量に過ぎない――。