適当魔法少女・りおん
だから、悔しかったのだ――。
ちょっぴりとしか貢献していない、ポーターの立場としての自分に――。
りおんの責任ではない――自分に頼らずに、自由に飛び回っている彼女の魔法少女としての「適性」と「才能」に驚いた故の気持ちも含まれてはいる――。
りおんの適当な性質に、「懐かしい」風景がステッキさんの魂の片隅で映し出され、疼く――。
「あの雲を突き抜けるぞ――」
悶々とした思いを、吹っ切るかの様に言い、りおんを促す――。
「あっ、うん――」
もう、空を自分の「庭」としていたりおんは、当たり前の様に上昇を始め、その質は既にエレベーターのスムーズさを凌駕している――。
「凄いな――」
りおんに悟られぬ様、静かに言った――。
何の「抵抗」もなく、雲を突き抜けたりおん達――滞空しているりおんに、ステッキさんはいよいよ、魔法少女たる醍醐味を説く――。
「うーむ、この辺りでいいだろう――」
「りおん――変身だ――」
ニヒルで低い声が、空の冷えた空気と融合した――。
「何か呪文を唱えるんだ――」
「呪文――」