薬指の約束は社内秘で
空になったグラスを近くのテーブルに置く。
お水と一緒に用意されたタオルを手に取り、胸元の染みをドレスの上から叩いていると、葛城さんが両手にドレスを抱えて戻って来た。
無言で差し出されたのは、2種類のベージュ色のドレス。
ドレスの染みを拭き取る手を止め、「えっ」と彼を見上げると、
「今、用意できるのこれしかないらしい。サイズは?」
強い口調で迫られてしまう。
有無を言わせぬ勢いに負ける形で、オーガンジーシフォンに刺繍が施されたドレスを手に取り、サイズを確認する。
「あの。サイズは、これで大丈夫……です」
いつもに増して迫力のある黒い瞳におずおずと返すと、葛城さんの額に刻まれた深い皺が少しだけ和らぐ。
そして彼は扉近くにいたホテルの女性に声を掛けると、二人で控室を出て行ってしまった。
「これって、このドレスを着ろってことだよね?」
再び取り残された室内に呟きが漏れる。
お水と一緒に用意されたタオルを手に取り、胸元の染みをドレスの上から叩いていると、葛城さんが両手にドレスを抱えて戻って来た。
無言で差し出されたのは、2種類のベージュ色のドレス。
ドレスの染みを拭き取る手を止め、「えっ」と彼を見上げると、
「今、用意できるのこれしかないらしい。サイズは?」
強い口調で迫られてしまう。
有無を言わせぬ勢いに負ける形で、オーガンジーシフォンに刺繍が施されたドレスを手に取り、サイズを確認する。
「あの。サイズは、これで大丈夫……です」
いつもに増して迫力のある黒い瞳におずおずと返すと、葛城さんの額に刻まれた深い皺が少しだけ和らぐ。
そして彼は扉近くにいたホテルの女性に声を掛けると、二人で控室を出て行ってしまった。
「これって、このドレスを着ろってことだよね?」
再び取り残された室内に呟きが漏れる。