薬指の約束は社内秘で
(ものすごく真面目にやってたつもりですけどね。先生も疑うほどの絵心のなさだったんだなぁ、これが)

野球部のマネージャーをして外を走り回っていた私とは違い、愛美は3年間美術部に所属していた。

同じものを描いているとは思えない彼女の腕前と、同じ年でもすでに大人びた色白の横顔に、

ただただ見惚れるばかりだった。

先生にも疑われるほど絵心ゼロな私に愛美は根気よく指導してくれて、それがきっかけでよく話すようになった。

そうして時々お昼を一緒に食べる仲になった頃、クラスの女子からある忠告をされた。

それは『愛美と一緒にいない方がいいよ』というもの。

彼女を悪く言う話をいくつも聞いた。

でもそれが男子生徒から人気のある愛美を嫉妬した女子達が流した噂だって思ったし。

一人をやり玉に挙げて周りの結束を固める。

そんな悪ノリは、心底くだらないって思った。

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