薬指の約束は社内秘で
瑞樹が私に別れを告げたのは、それから3日後のことだった。

たくさんの段ボールが積まれた瑞樹の部屋で、「どうして?」と声を震わせたら、

「だって、ハズレちゃったし」

色違いで買ったTシャツをゴミ箱に投げ捨てながら、写真立てから肩を寄せ合った写真を抜き取りながら、

まるで商店街のくじ引きに外れたみたいな口調で荷物を整理する瑞樹に声にもならなかった。

「これ以上一緒にはいられない」

そんな冗談みたいな終わり方に、納得なんて出来るわけない。
でも瑞樹は住んでいたアパートを引き払い、私の前から姿を消してしまった。

いまでも思ってた。他にちゃんとした理由があるんだって――……

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