薬指の約束は社内秘で
松田課長から彼の話を聞いてから、数日が経った。
「そういえば。あの日、どうだった?」
「なにがでしょう?」
「和希は俺のこと、なんか言ってたか?」
「あの毒舌は100回死んでも直らない」
「なに!」
「私ではなく、館山さんが」
噛みつきそうな勢いにわざと仕事モードな口調で返すと、葛城さんは眉間に皺を寄せて箸を置く。そんな彼の
姿に、「勝った」と心でガッツポーズをする私。
我ながら性格悪いよなぁと思いながら、緩みっぱなしの頬を手で覆った。