薬指の約束は社内秘で


悲しげな父の顔がぼんやり頭に浮かんだところで、湯呑みを洗い終えた葛城さんがソファーに座る私の隣に戻ってきた。

そうだ、『あのこと』を注意しておかないと。

さっきは不機嫌オーラ全開で言えなかったことを切り出してみる。

「それはそうと葛城さん。何でもかんでもマヨネーズって、体によくないですよ?」

そうそう。この前から気になっていたこと。
食材のほとんど入っていない冷蔵庫に存在感を放つ大量マヨネーズは、先週見た時より1本増えて4本になっていた。

この前は「ぷぷぷ。クールな見た目に似合わずマヨラーなの?」なんて、ほくそ笑んでたんだけど。

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