薬指の約束は社内秘で
さすがに4本は笑えないって。もはや中毒でしょうよ……

そんな呆れる気持ち半分で注意したら、まさかの言葉が返された。


「俺を味覚音痴のマヨラーみたいに言うな。それは和希に言ってやれ」

「え? ――ということは……」

どうやらマヨラーは、「日本滞在中はここが俺の城!」と楽しげに笑っていた館山さんのものだったらしい。


「そうだったんですね。でも、3食外食っていうのもやっぱり体に悪いですよ」

「だから、藤川に来てもらった」

「私だって毎日来られるわけじゃないですし。せめてお魚とお味噌汁だけでも作れたら、それだけでも全然違うと思いますよ?」


提案しながらも、お祭りのとき水ヨーヨーに苦戦していた葛城さんの不器用っぷりを思い出すと、やっぱり無理かなぁと思い直す。

でも仕事はどこまでもスマートで、射的はプロ並なんだよね。
葛城さんという人がやっぱり分からないなぁ……


一人で苦笑いを浮かべていると、葛城さんの長い足が私の方へ組み返された。
並んで座るソファーの僅かに空いていた距離が縮まり、ドクンッと鼓動が反応する。
< 212 / 432 >

この作品をシェア

pagetop