薬指の約束は社内秘で
ソファーの上で抱き合いながらキスを重ねて、甘い痺れに酔いしれそうになると引き離される。


「場所、変える?」

色気を纏った囁きに、心臓がどうにかなってしまいそう……
小さく頷き返したら体ごと抱き上げられた。

それはいわゆるお姫様抱っこというもので、嬉しいけどなんだか恥ずかしい。

それに線が細いと思っていた葛城さんの腕は思いのほか筋肉がついていて、薄ら浮き上がった筋にドキドキしていると照明の落ちた室内に辿り着いた。


降ろされた体が沈んでいく感覚にそこがベッドの上だと分かる。
今更ながら緊張が走った体を葛城さんは優しく抱きしめて、気持ちが落ち着くまで髪を撫でてくれた。

暗闇で表情もよくわからないはずなのに、どうしてわかっちゃうんだろう……

優しい気遣いに愛しさが積もっていく。

自然と力が抜けた体がゆっくり倒され、首筋をゆっくり伝い落ちる唇に、柔らかく解すような手つきに、

思考も体も溶かされてしまう。
< 215 / 432 >

この作品をシェア

pagetop