薬指の約束は社内秘で
でもそんなことより、私はどんな体制でも寝れちゃうタイプだから平気だけど、葛城さんは手が固定されて寝づらかったに違いない。

「私っ、お水持ってきます!」

そう言ってベッドに手をついたところで、空いている左手が強く引かれる。
不意打ちのそれに固まった体が優しく抱き寄せられたら、


「そう、困った。こうすることもできなかったからな」

耳朶に触れる甘い囁きに、もう何度も幸せな音を響かせた胸がまた震え出す。
長い時間絡み合った指先が私の頭を引き寄せ、コツンッとぶつかり合う額。

「熱っぽいな」

「それは、そう、ですよ」

葛城さんが不意打ちでドキドキすることばかりするから。
そんな言葉はとても恥ずかしくて言えないでいると、


「昨日あんなに愛し合ったのに、まだ足りない?」

意地悪な色を添えた瞳が近づいて柔らかく口づけされる。
そのまま下唇を甘く噛まれたら、深いキスへ変わる合図。

挑発的な囁きが意地悪だなぁって思うのに、一度触れてしまった唇は受け入れるように薄く開いてしまう。

求め合うようにキスを重ねて息継ぎにそっと瞳を開くと、

「これから、どうする?」

私だけを見つめる瞳の奥に優しい色を感じたら、どうしようもなく愛しさが込み上げてしまう。
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