薬指の約束は社内秘で
「このまま抱いていい?」

唇を触れ合わせながらの囁きに、心臓がどうにかなりそう……

熱に浮かされたようにポーッとした頭で頷くと、一晩で私を知り尽くした指先が彼に借りたTシャツの下を滑り出す。

壊れ物を扱うような柔らかい手つきに酔いしれていく体。
荒く乱れ始めた吐息を誤魔化すように、無意識に呟いていた。


「葛城っ……さんは、どうして私のこと、好きになってくれたんですか?」

そう、ずっと不思議に思ってた。
どうして葛城さんみたいな人が私なんかのことをって――……

自分から聞くのも恥ずかしかったけど、ポロリと出ちゃった言葉だ。
答えを待つように見つめ返すと、葛城さんはボソッと呟いた。


「朝っぱらから、バカップル、か」

呆れたような瞳がグッと息を詰まらせるけど、
カップルという響きにキュンッときちゃった胸も相当痛いと思うけど。

「ダメ、ですか?」

ずいぶん前に美希ちゃんに教わった切り札『意中の彼を落としちゃう胸キュンスマイル』(上目遣いで首をカクンッと斜めに傾ける)でダメ押ししてみたら、
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