薬指の約束は社内秘で
背中にまわった腕も解かれてホッと息をつく。
とりあえず着替えようと彼に背を向けると、それを待っていたかのように後ろからふわっと耳朶を甘噛みされてしまい、

「葛城――さんッ…」

思わず漏れた吐息混じりの声。耳を疑いたくなる言葉が耳朶に触れた。


「逃げたらそのまま罰ゲーム」

いま、なんと?

「朝からで悪いけど、たっぷりサービスしてもらうから」

さらに、なんと!? (そんな色気たっぷりな声って! 一体、どんな、サービスさせられちゃうの私!?)

甘く囁く声がぞわりと背筋を凍らせるっていうのに。
指先は刺激を誘うように太腿をゆっくり滑り出して、柔らかい唇が耳朶に更なる吐息を吹きつけていく。


「早くしないと、時間切れ」

くすぐったいような、何とも言えない絶妙な動きに「えっと、じゃぁ」と寝起きでぼんやりした頭を全力でフル回転する。

私の長所を言えばいいのかな?

「明るく、元気で、純粋な。ところ、とか?」

思いつくまま過去に言われた長所を言ってみた。

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