薬指の約束は社内秘で
シンッと流れていく沈黙が痛い。
でも甘い刺激を誘っていた指先がその動きをピタリと止めたから。

よかった、正解?

そろりと後ろを振り返る。とても深いため息をつかれた。


「痛すぎる藤川に、息するの忘れた。自分で言ってて恥ずかしくないのか? 特に最後」
 
(なんと、痛かったのは静寂じゃなく、私でしたか!?)


「しかも一気に3つ言ったな。終了」

「えぇっ! ちょっと待ってください!!」

「無理」

「無理って――……じゃぁ、せめて正解を教えてくださいよ」


ナニをさせられちゃうのか分からですけどね? こうなったら道連れですよ。
さぁ、いつ、どこで、どのようにして、好きになったのか?

白状してもらおうじゃないですか!

半分自棄で葛城さんを振り返ると彼の瞳が一瞬気圧されたように揺れ動く。

勢いに負けただけではない含みのあるそれにドクンッと反応する鼓動。
答えを待つ私に、葛城さんはいつになく真剣な声で切り出した。

「理由なら、ちゃんとある」

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