薬指の約束は社内秘で
「朝からずっと顔色が悪いけど、体調が悪いなら早退してもいいのよ?」
「いえ。大丈夫です」
「本当?」
「はい。実は、昨日ちょっと夜更かししちゃって……」
わざとおどけたように言うと、「あら?」と仙道さんも肩を竦める。
半分嘘で半分本当だった。
二人のやり取りを見たあの瞬間から何かをしていても、心ここ非ずだった。
夜ベッドに入ってまぶたを閉じても、深い眠りにつくことができなかったから。
でもプライベートな問題を職場に持ち込むなんて、どうかしてる。
集中しないと仙道さんにも迷惑がかかる。
私の思考を見抜くように心配げな瞳を向けてくる仙道さんに笑顔を返したら、デスクの上の電話が内線を告げる音色を奏でる。
「はい」と受話器を取ると一呼吸置いてから低い声が耳に届いた。
「葛城だけど。そこの会議室まで来てほしい」
少し鋭さを感じさせる声。スッと背筋に緊張が走る。
「わかりました」と返して受話器を置いて立ち上がった。
「いえ。大丈夫です」
「本当?」
「はい。実は、昨日ちょっと夜更かししちゃって……」
わざとおどけたように言うと、「あら?」と仙道さんも肩を竦める。
半分嘘で半分本当だった。
二人のやり取りを見たあの瞬間から何かをしていても、心ここ非ずだった。
夜ベッドに入ってまぶたを閉じても、深い眠りにつくことができなかったから。
でもプライベートな問題を職場に持ち込むなんて、どうかしてる。
集中しないと仙道さんにも迷惑がかかる。
私の思考を見抜くように心配げな瞳を向けてくる仙道さんに笑顔を返したら、デスクの上の電話が内線を告げる音色を奏でる。
「はい」と受話器を取ると一呼吸置いてから低い声が耳に届いた。
「葛城だけど。そこの会議室まで来てほしい」
少し鋭さを感じさせる声。スッと背筋に緊張が走る。
「わかりました」と返して受話器を置いて立ち上がった。