薬指の約束は社内秘で
情けないことに早退を言い渡されてしまい、そのまま素直にアパートに帰った。
ベッドに横になると体が休息を求めていたらしく少しだけ眠りにつくことができた。
けれど、夕方には一人でいることが耐えられなくなり、会社帰りの美希ちゃんを駅で待ち伏せすることにした。改札近くでふらりと姿を見せると、
「うっ――ひゃぁ! ふっ、藤川先輩!?」
悲鳴に近い声をあげられてしまう。
化粧が崩れて髪もぼさぼさ状態の私は、さぞ不審者のようだろう。
でもそんな様子をただ事でないと察した彼女は、「一杯やりますか?」と言って、二人でよく行くジャズバーに誘ってくれた。
時間はまだ18時を過ぎたとあって、薄暗い店内の客は私達だけらしい。
生演奏が聞けるその店を貸し切ってしまったようで、いつもなら嬉しく思うのにそんなことを思う余裕もないほど落ち込んでいた。
美希ちゃんと並んでカウンター席に腰を下ろす。
彼女と好みが同じカシスオレンジを注文して、それが運ばれるのを待って切り出した。
ベッドに横になると体が休息を求めていたらしく少しだけ眠りにつくことができた。
けれど、夕方には一人でいることが耐えられなくなり、会社帰りの美希ちゃんを駅で待ち伏せすることにした。改札近くでふらりと姿を見せると、
「うっ――ひゃぁ! ふっ、藤川先輩!?」
悲鳴に近い声をあげられてしまう。
化粧が崩れて髪もぼさぼさ状態の私は、さぞ不審者のようだろう。
でもそんな様子をただ事でないと察した彼女は、「一杯やりますか?」と言って、二人でよく行くジャズバーに誘ってくれた。
時間はまだ18時を過ぎたとあって、薄暗い店内の客は私達だけらしい。
生演奏が聞けるその店を貸し切ってしまったようで、いつもなら嬉しく思うのにそんなことを思う余裕もないほど落ち込んでいた。
美希ちゃんと並んでカウンター席に腰を下ろす。
彼女と好みが同じカシスオレンジを注文して、それが運ばれるのを待って切り出した。