薬指の約束は社内秘で
葛城さんも瀬戸グループの人間だ。
会長が瑞樹にお見合いを勧めたように、彼にも相応しい女性をと思ったのかもしれないって。
知りたくなった事実はナイフのような切れ味で体を一突きにする。
それでも懸命に言葉を続けようとする彼女の声に、なんとか耳を傾けた。
「彼の大切な人に反対されてまで、結婚なんてしたくなかったの。だから、わざと嫌われるのが一番いいと思った。
嫌いになったから、もう会わないって嘘をついたの」
それまで俯いていた愛美がふと私を窺うように目線を引き上げる。
切なげな瞳に胸が擦りきれそうになった。
婚約解消に納得のいかなかった葛城さんを絶望の淵に追い詰めた、悲しい嘘。
愛美の嘘を信じた彼は、二度と会わないことを約束したという。
「どうしてそんな――、そんな辛いこと相談してくれたらよかったのにっ」
思わず口調が強めてしまうと儚げな笑みを返される。
一度吐き出してしまった想いは止め処なく零れていくのか、彼女らしくない早口で一気に吐き出された。
会長が瑞樹にお見合いを勧めたように、彼にも相応しい女性をと思ったのかもしれないって。
知りたくなった事実はナイフのような切れ味で体を一突きにする。
それでも懸命に言葉を続けようとする彼女の声に、なんとか耳を傾けた。
「彼の大切な人に反対されてまで、結婚なんてしたくなかったの。だから、わざと嫌われるのが一番いいと思った。
嫌いになったから、もう会わないって嘘をついたの」
それまで俯いていた愛美がふと私を窺うように目線を引き上げる。
切なげな瞳に胸が擦りきれそうになった。
婚約解消に納得のいかなかった葛城さんを絶望の淵に追い詰めた、悲しい嘘。
愛美の嘘を信じた彼は、二度と会わないことを約束したという。
「どうしてそんな――、そんな辛いこと相談してくれたらよかったのにっ」
思わず口調が強めてしまうと儚げな笑みを返される。
一度吐き出してしまった想いは止め処なく零れていくのか、彼女らしくない早口で一気に吐き出された。