薬指の約束は社内秘で
愛美には『彼に私が話したことは言わないで』と口止めされていた。

でも聞いてしまったら、伝えないわけにはいかない。
確かめないわけにはいかない。

何も知らないふりをして、このまま葛城さんと付き合うことはできなかった。


だから、誰に頼まれたわけでない。言い出したのは私だ。
だから、もっと気を張らないとダメだって思うのに……

頭がひどく痺れて、息苦しくて、膝から力が抜けていく。
ふらりと揺れた肩を葛城さんが支えてくれる。


「ごめん……なさいっ」

彼の胸を押し返すのと同時に、静かな声が響いた。


「アイツが俺を好きとかあり得ない。俺が言えるのはそれだけだし、俺の気持ちは変わらない」

彼の言葉が鼓膜の奥まで流れ込む。
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