薬指の約束は社内秘で
「わかってる。優生の見送りでしょ?」

「うん…そうなの。でも、飛行機の時間とか分からないんだけどね」

「そうなの? あの日、ふたりの思い出の場所で会えたんじゃなかったの?」

気遣うような瞳に影が差して、慌てて手を振る。

「会えたよ。でも、ちゃんと気持ちを伝えられてないから……」

言葉にするとチクリと胸が痛みを放った。
愛美から話を聞いてからと思ったから、葛城さんにはまだ自分の気持ちを伝えてなかった。


『俺の気持ちは変わらない』


切なげな瞳に込められた意味を想うと胸が締めつけられて、小さくため息をついた私の頬がぎゅっーと横から引っ張り上げられる。

「いっ、痛っ! 痛いよ、瑞樹!!」

肩を跳ね上げながら瑞樹から距離を取ると、「痛いようにやってんだから、当たり前でしょー」といたずらっぽい声が頭上に落ちた。

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