薬指の約束は社内秘で
葛城さんを軽く睨みつける仙道さんの声に重なるように、この後の便が接近している台風の影響で欠航になるとのアナウンスが流れ始めて、「やっぱりか」と葛城さんから小さなため息が漏れた。

「まぁ、そういうことだし。特別に、13分だけ時間をやるか」

「かなり微妙だけど伸びてる! やっぱり葛城さんは優しいんですよね」


久々に頂けた毒吐きに思わず声を張ると、なぜか葛城さんは眉間に皺よせ、仙道さんからはぷっと笑い声が漏れた。

あれ? なんか変なこと言った?? 

何かがおかしいような気もするけど、まぁいいやと思い、「ありがとうございます! それでは行きましょう!!」と促すと、彼の眉間の皺が増々深くなる。


「行くって、どこにだよ?」

「えっ」


それは決めてない。でも話の内容的にどこか人気のないところに場所を移したいっていうのはある。

どうしようと、おろおろと視線を泳がせると、「ここじゃ、出来ない話でもあるのか?」と至近距離から顔を覗き込まれて、心臓がドクンッと脈を打つ。

首を激しく上下させた私に葛城さんはある提案をしてきた。
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