薬指の約束は社内秘で
「よかった。今日は時間をかけて優しく抱きたい気分だから」

鼓動を更に加速させる囁きが頬に触れると、浴室に籠った熱気のせいだけでなく頭がくらくらしてしまう。

「でもとりあえず、このままじゃちょっとな」


そこで葛城さんは脱衣所から柔らかい手触りのバスローブを持って来てくれて、「藤川はそこで着替えろよ、俺はこっち」と言い残して浴室を出て行った。

脱衣所でシャツ脱ぐ葛城さんの姿が擦りガラス越しに透けて見える。

そのままぼんやりと眺めてしまいそうになって慌てて視線を逸らす。

濡れた服からふかふかのバスローブに着替えて浴室を出ると、

「俺のだから、デカいなさすがに」

苦笑いを浮かべた葛城さんの腕が私の膝下に入り、そのまま体を持ち上げられた。
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