薬指の約束は社内秘で
彼の胸板にそっと頬を寄せながらそんなことを思っていると、私をベッドまで運んだ後、優生は長い足を組み返しながらネクタイに手をかけた。

「俺、汗かいたからシャワー浴びるけど、愛はどうする?」

顔を斜めに傾けた艶っぽい笑みに、ネクタイを外す仕草に、トクンッと心臓が脈を打つ。

「わっ、私はいいよ! ゆっくり入ってきて……」

熱くなった頬を隠すように顔を逸らすと、ベッドから立ち上がった彼から小さな吐息が漏れた。

「さっき送ったメール。もう一度ちゃんと読んで、待ってろよ?」

そして、彼はそれだけ言い残すとベッドルームを後にした。


あの嘘つきメールを、もう一度読めと?

首を傾げながらも彼の言葉に従い、ベッドの上に転がった状態のスマホを手に取り、電源を入れてみる。


F R:葛城 優生
SUB:悪い
―――――――
急ぎの仕事が入って、まだドイツにいる。
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