薬指の約束は社内秘で
「ねっ、ねえ、優生! 私っ、本当に、このままだと声が恥ずかしくて…」

最後のお願いとばかりに声を上げたら、押さえつけられていた腕が楽になる。
ホッと息をつくのと同時に、射抜くような瞳に見つめられる。


「もう、いいだろ。我慢とか、もうすんな……」

胸を震わせる優しい声と、切なげに細まる瞳に、その言葉の意味を知る。


「愛が感じてる声、全部聞きたいって言ったら――それも、わがままになる?」

少し照れくさそうな声が心まで染みわたると、言いようのない想いで胸がいっぱいになって、言葉ではなく上から見下ろす彼の背中に手を回し、自分から距離を縮める。


優生の薄い唇を柔らかく塞ぐと彼の熱がするりと口内に入り込み、いつもより強引に深く求められる。
角度を変える度に吐息を漏れ、また甘さが増していく。

息継ぎの度に、見つめあって。
軽く啄むようなキスの後、唇を触れ合わせながら優しい声が届く。
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