薬指の約束は社内秘で
いま私は、優生の膝の上で横向きに抱かれているというわけで。

まさか、昨日の続き……セカンドステージは、こちらですか!?
どうしよう! こんな青空の下でなんて、お父さんに話したら卒倒しちゃうし!!

(いや、青空の下でなくても、言えませんが)

――って、いまはそれどころじゃないんだってば、私!


「優生。ダメ……だよ」

体をなんとかよじりながら熱くなった頬をチラリと横に向ける。
優生の顔が斜めに傾くのが見えた。

「なにが?」

「えっと。だから、嫌ってことじゃなくて。ここでするのは恥ずかしい……から」

少し視線を泳がせながら訴えると、ふっと短い息をつかれる。

「足りないなら、早く言えよ」

「えっ?」

言われた意味が分からずまばたきを返すと、私を抱く優生の腕にまた少し力が加わる。ついさっき触れ合ったばかりの唇が、私の耳元に意地悪な囁きを落とした。

「でも、さすがにここじゃあ……俺も落ち着かないんだけど?」
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