薬指の約束は社内秘で
プレゼンは会議室に入室した順番で私がトップバッターだった。
どうしよう――
そんな心の呟きが生ぬるい汗を背中に滑らせる。強張る頬を笑顔に変えてプレゼンを進めていく。
いましている販売提案の説明を終えたら、市場調査と他社との比較を説明するために、スライドを使う予定だった。
でも直前になってスライドに使うUSBがないことに気付いた。
田村君とぶつかった時に廊下に落とした? 違う。廊下を見渡したけどなかったと思う。デスクに忘れてきたんだ、きっと。
自分の詰めの甘さを思うと無理矢理頬に張りつけた笑顔も強張りそうになる。取りに戻る時間もない。それに役員達への印象も悪くなるだろう。
私のプレゼンに真摯な顔で耳を傾ける役員達の後ろには、1課の男性社員と2課の田村君がパイプ椅子に並んで座っている。
田村君は私のプレゼンになんて興味もないのか、退屈そうに足を組み返しながら欠伸を堪えているのが見えた。
『女なんて所詮腰掛』
吐き捨てた彼の言葉が頭を過り、頬が熱くなる。
負けたくない。でもそう思えば思うほど、気持ちばかりが焦ってしまう。
どうしよう――
そんな心の呟きが生ぬるい汗を背中に滑らせる。強張る頬を笑顔に変えてプレゼンを進めていく。
いましている販売提案の説明を終えたら、市場調査と他社との比較を説明するために、スライドを使う予定だった。
でも直前になってスライドに使うUSBがないことに気付いた。
田村君とぶつかった時に廊下に落とした? 違う。廊下を見渡したけどなかったと思う。デスクに忘れてきたんだ、きっと。
自分の詰めの甘さを思うと無理矢理頬に張りつけた笑顔も強張りそうになる。取りに戻る時間もない。それに役員達への印象も悪くなるだろう。
私のプレゼンに真摯な顔で耳を傾ける役員達の後ろには、1課の男性社員と2課の田村君がパイプ椅子に並んで座っている。
田村君は私のプレゼンになんて興味もないのか、退屈そうに足を組み返しながら欠伸を堪えているのが見えた。
『女なんて所詮腰掛』
吐き捨てた彼の言葉が頭を過り、頬が熱くなる。
負けたくない。でもそう思えば思うほど、気持ちばかりが焦ってしまう。