薬指の約束は社内秘で
「そこはさりげなくフォローしてくれるところじゃないですか? しかも顔って」

「そんなことより。あの日のプレゼンで、それ以外にも何かおかしなことなかったか?」

うわっ。そんなことよりって、華麗にスルーですか!

軽い睨みを利かせてみるけど、効果がないのは、もう何度も実践済だ。(私も懲りないよね、チクショー!!)
コホンッとわざとらしい咳払いをしてから話を続ける。

「そういえば。プレゼンの直前に私の名前で申請書が出てました。それも結局、誰のイタズラか分からなかったんですよね」

一体、アレもなんだったんだろう? 訳のわからないことだらけだなぁ。

首を傾げ宙に視線を泳がせる。
話を聞き終えた葛城さんは納得するように深く頷いてから、次に信じられない言葉を続けた。

「USBはさっき俺とぶつかったアイツが盗ったんだろ」

「田村君が?」

予想もつかなかった言葉に、背筋にスッと冷たいものが走る。

「名前は知らないけど。プレゼンの直前アイツとぶつかってたろ? あのときアイツの態度がおかしかったから、さっきカマかけてやったら当たりだった。

USBはアイツが親切顔で拾うフリして盗った。ついでに言えば、申請書の件も流れから言って怪しいな」
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