薬指の約束は社内秘で
海外にいくつか拠点がある中、ドイツ支社は出世街道と呼ばれていて葛城さんも数ヵ月前まで働いていた。

こんな美人で仕事もできるのか。でもそんな人が、なんで私に?

もしかして、私。なにかやらかしちゃった!? 

胸に広がる小さな不安と大きな疑問。

うぅっ、考えるだけでさっき食べたパスタが逆流しそう……

キリキリと痛み始めるお腹を軽く摩ったところで、彼女は淡々とした口調でこう続けた。

「正式な手続きが完了したので迎えに来ました。藤川さんにはこれからしばらく、販売部3課と経営統括室を掛け持ちして頂きます」

「はい?」

いま、なんと?

ケイエイ・トウ・カツ・シツ?
なに、ソレ。どこのとんかつ?

斜め上から飛んできた言葉に開いた口が塞がらない。
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