On Your Marks…~君と共に~
「……で、何?俺に言いたいこととかあるのかよ」
勝木は相変わらず、あたしに体を向けて問う。
学校の時とは大違いなんですけど。
「あのさ……何見てたの?……そのフェンス越しから」
勝木の見ていたフェンスの向こう。
そこはあたしたちの世界。
勝木が離れた世界。
今日はどうやら中学生の陸上記録会のようだった。
「別に……」
そういって、下を向いてしまった勝木。
その声は悲しそうだった。
「走りたいんじゃないの?」
「……」
「走りたいから見ていたんじゃないの?」
「……」
あたしの頭がカーッとなった。