On Your Marks…~君と共に~



「……おまえか」


そう、無愛想に挨拶をされたあたし。


暑さのせいか、すぐにあたしの頭に血が上ってカチンとなる。



「……おまえかって……。おんなじクラスメイトじゃん!ちょっとは愛想ってもん知りなよ」



思わず、いつもの調子でしゃべってしまうあたし。


あー……。


やっちゃったとあたし。


後悔しても遅いよ。



このキャラ封印ようとしているのに、気を少しでも抜くと出てきてしまう。


あたしの毒舌キャラ。


主に怒ったときにしか出てこない。


……本当はね。


女の子って言うのは、こういう時には「調子どう?」とか「元気そうだね?」とか「犬可愛いね」とか言うのが正解だと思う……。


あたしとしたことが。



「ふっ……何、お前。そっちが素?」



そういって、初めて、勝木はあたしの目を見て笑った。


その瞬間、あたしの胸がキュッとなった。


ただでさえ、暑苦しいのに、カーっと顔がほてってくる。


なにこれなにこれ……!?



「あ……ち、ちがう!ついっていうか……油断したっていうか……暑いから……ね?」



見苦しい言い訳をいつの間にかしてしまっているあたし。


勝木の目をろくに見ることができない。


なに、このドキドキ感。



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